今後が気になる!太陽光発電の買取価格、売電価格
太陽光発電はエコなエネルギーであり、売電収入が得られるというメリットもあるため、家庭や企業での導入件数も増えてきています。しかし売電価格は年々改訂されており、下落傾向にあるのが現状です。既に太陽光発電を導入している方も、これから導入を検討している方も売電価格が今後どうなるのかが気になるでしょう。今後の太陽光発電の売電価格や買取価格の推移などについて詳しく紹介していきます。
太陽光発電の買取価格はさらに下がる予測
太陽光発電には固定買取価格制度(FIT)があり、決められた価格で太陽光にて発電した電力を買い取ってくれます。余剰電力を買取してもらうことで太陽光設備設置費用に充てるなどの収入が入るようになります。しかしその買取価格は年々下落しており、今後も値下げがさらに続くと考えられています。今まで優遇されていた産業用の太陽光発電に関しても、2017年現在1キロワットあたりの売電価格21円を2018年度には20円弱にまで下げるといわれています。
このような状況から太陽光発電を導入しても経済的メリットは少なくなるのではと不安になりますが、決してそのようなことはありません。太陽光発電導入によって電気代の大幅削減が期待できますし、今後は蓄電池やEVとの併用で節約効果も高くなるでしょう。(※1)
太陽光発電の買取価格値下げの背景とは
今まで国が太陽光発電の買取価格を高く設定してきたのは、再生エネルギーを普及させることが主な目的でした。おかげで家庭用や事業用の太陽光発電の普及が進んだのです。世界では太陽光発電の導入拡大と入札制度の導入などにより、太陽光が他の電力源と比べても高い競争力を持つようになってきています。海外ではいち早くFITの買取価格の引き下げなどの政策を行った結果、太陽光関連事業者の競争が進み、導入コストを大幅削減できるようになったケースもあります。FIT制度などの支援に頼らず自律的に太陽光発電を導入する企業や一般住宅も出てきているほどです。
ところが日本では国や地方自治体による手厚い支援やFIT制度によって太陽光発電の導入が促進されているため、太陽光発電事業者もそれに甘んじてしまっています。しかし日本でも太陽光発電を安定した電源とするため、太陽光発電事業者の競争を促す必要が出てきたのです。そこで買取価格の引き下げが行われるようになりました。(※2)
今後の太陽光発電の売電価格はどうなる?
太陽光発電の売電価格は年々下落していますが、今後はさらに下がると考えられています。10キロワット未満は10年、10キロワット以上は20年間電力の買取が保証されています。その期間を過ぎてしまうと電力の買取が保証されなくなりますが、せっかく発電した電力をムダにするのもエコではありません。そのため、買取保証期間終了後も発電事業者と電気事業者の話し合いや合意に基づいて買取価格が決まっていくでしょう。(※3)
ただし、買取保証期間が過ぎてしまった後の売電価格は保証期間内よりも下がる可能性が高く、経済産業省の資料によると1キロワットあたり11円まで下がると想定されています。ただし1キロワットあたりの売電価格が11円まで下がったとしても損をすることはないでしょう。それは経済産業省が太陽光パネルを設置して20年で、一定の利益が出るように売電価格を決定しているからです。(※4)
※3.太陽光発電の買取価格今後の予定単価と10年後の売電価格予測
※4.ソーラーパートナーズ
将来は電気料金よりも下がる買取価格
今後も太陽光発電の買取価格は下がり、将来的には電気料金よりも安くなっていくでしょう。そこで注目されているのが蓄電池です。太陽光発電は再生可能エネルギーとして今後も需要が高まっていきますが、蓄電池やEVと併用することにより節電効果などのさまざまなメリットが期待できるようになります。たとえば今までソーラーパネルで発電した電気を夜間は使用できませんでしたが、蓄電池があればそれも可能になります。それにより家庭や事業で使用する電力のほとんどを太陽光発電で賄えるようにもなるでしょう。また電力自由化に伴って起こり得る電気料金の値上げや、停電時にも対応できます。
ただし太陽光発電と蓄電池の併用はダブル発電とみなされてしまい、売電価格の下落につながりますのでその点注意が必要です。(※5)
※5.グリーンエネルギーナビ
太陽光発電で安定した買取価格、
売電価格を得るために大切なこと
太陽光発電は長く使用できるエコなエネルギー源です。安定した売電価格、買取価格を得るためには一定の発電量を維持する必要が出てきます。そのために欠かせないのが太陽光パネルの保守点検です。太陽光パネルを設置したときにO&M(operation and maintenance)契約を結んでおくと、定期点検や緊急時にも素早く対応してもらえます。また2017年度にFIT制度に関する法律が改正されました。当初は太陽光発電設備を作ったときに基準を満たしていれば売電することが認められたのですが、安定的に発電可能かという認定を受けなければ売電できなくなったのです。現在、太陽光発電設備を利用している方や今後導入を検討している方もO&M契約が義務となりました。O&M事業者も多く見つかりますので、信頼できる業者を見つけられるように業者探しは慎重に行いましょう。
更新日:2017.12.20太陽光発電業界ニュース