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太陽光発電O&Mとは?

太陽光発電のメンテナンス義務化、改正FIT法にどう対応する?

太陽光発電メンテナンス義務化

改正FIT法により、再生可能エネルギー発電による売電に規制がかかりました。太陽光発電でも、メンテナンスの義務化が問題となっています。旧FIT法と改正FIT法のとの違いや、義務化が対象になる物件、また違反時の改善命令・認定取消などについて、詳しく見てみましょう。

FIT法:旧FIT法と改正FIT法の違いは?

FIT法のFITとは「Feed-in Tarrif」の略称です。正式名称は「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」のことで、通称「固定価格買取制度」とも呼ばれています。大まかにいえば、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社による買取価格を国が法律で義務づけた制度です。2012年に施行されたFIT法によって、再生可能エネルギーの導入が飛躍的に伸びたといわれています。

しかしながら、次のような問題点も明らかになりました。1つ目は、電気の買い取りについて国民負担が増加したこと。2つ目は、不安定電源や自然変動電源である太陽光発電への偏重しすぎること。3つ目は、売電権のみ保有し発電設備が未設置の事業者が増加したこと。4つ目は、不十分な設計施工・メンテナンスによる損壊事故が多発していること。このような問題を解消するために、2017年より改正FIT法が施行されています。この改正により、すでに太陽光発電システムを設置・運用中の事業者にも、新規に参入する事業者にも、新たな手続きおよび義務が発生することになりました。所定の手続きを怠ると、認定が失効します。つまり、売電ができなくなるのです。(※1)

※1.【ソーラーサポートセンター】9分でわかる改正FIT法|太陽光の認定取消を回避する手続きと義務

改正FIT法により太陽光発電のメンテナンス義務化が対象となる物件とは?

メンテナンスが義務化された物件は、「改正FIT法下で認定を受けた物件」および「みなし認定を受けたすべての物件」となります。「みなし認定物件」とは、改正FIT法施行日(平成29年4月1日)に、すでに接続契約が締結済み(一部例外あり)の既認定物件のことです。簡単にいえば、改正FIT法施行以前に旧FIT法の認定を受けていた物件のことです。この種の物件は、稼働中か・停止中かなどの設備の状態にかかわらず、改正FIT法施行日以降は、改正法の認定を受けたとみなされるわけです。なお、例外として電源接続案件募集プロセス関連物件に関しては、認定の猶予期間が設定されています。要するに、例外を除くほぼすべての認定を受けた太陽光発電物件について、メンテナンスが義務化されると考えて良いでしょう。ただし、住宅用太陽光発電については今のところ除外される見通しです。(※2)

そもそも、法改正の目的の一つに発電施設の安全性への懸念があります。例えば、突風などに対して風荷重の算定が不十分な場合、施設の倒壊や破損事故が発生する可能性があります。太陽光発電システムの場合、自然災害の発生が予想される場所への設置も多く、特に野立てタイプのソーラーパネルは要注意です。

※2.【ソーラーアシスト】太陽光発電のメンテナンスが義務化?~改正FIT法のポイント~

違反時の改善命令・認定取消についての考え方

改正FIT法では「事業開始前の審査に加え、事業実施中の点検・保守や、事業終了後の設備撤去等の遵守を求め、違反時の改善命令・認定取消を可能とする(第9条・第13条・第15条)」との記載があります。また、「景観や安全上のトラブルが発生している状況に鑑み、事業者の認定情報を公表する仕組みを設ける(第9条)」ことも併記されています。

再生可能エネルギーによる発電事業は、将来的な可能性を見越して国がさまざまな手厚い保護政策を行っています。その一環として、旧FIT法が制定され、買い取り費用が2兆円を超えるところまで成長しました(2016年度)。(※3)ですから、今後の成長を維持しながら、現在発生している問題を是正・適正化することが、改正FIT法の目指すところでしょう。文言にも「遵守を求め」や「可能とする」という、法規制の持つ義務感を和らげるような表現も使われています。このことから、保守管理について自主的な対策を講じ、それを証明する文書を準備しておけば、従来通り問題なく事業の継続が可能といえるでしょう。

※3.【経済産業省資源エネルギー庁】再生可能エネルギーの導入促進に係る制度改革について

太陽光発電のメンテナンス業者の選び方

太陽光発電は、FIT法によって新規導入が進みましたが、ようやくメンテナンスについて義務化の規制がかけられる段階にきています。効果的なメンテナンスは、専門業者に委託するのが一般的です。では、どのようにして業者を選ぶべきでしょうか。まずは、情報収集によってメンテナンス業者の実績を検証します。具体的には、業者のwebサイトなどを調べてみてください。サイトでの情報量の多さは実績や技術力に比例します。この段階で、いくつか候補をリストアップして、次は実際に担当者へのヒアリングを行いましょう。そうすれば、技術力があり、かつ自身の条件にあったメンテナンス業者が見つかるはずです。

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更新日:2018.01.11太陽光発電O&Mの基礎知識 

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