太陽光発電の発電量はどれぐらい?性能と日射量、メンテナンスの関係
太陽光発電によって売電収益を上げるためには、初期費用を抑えるコストダウンの他に発電量そのものを上げる取り組みが必要です。発電量を上げるためには太陽光パネルの出力や枚数を増やす以外にも、日射量や温度といった気候や季節的な要因にも気をつけなければいけません。発電量が増えるのは何月なのか知っておくとよいでしょう。
発電量はソーラーパネルの枚数で決まる?
太陽光発電の発電量は「ソーラーパネルの性能や設置枚数」「ソーラーパネルの設置場所」「設置する地域の気候」などが複合的に関係しています。最も簡単に発電量を上げることができるのは「ソーラーパネルの設置枚数を増やす」ことです。ソーラーパネルの枚数を増やせば増やすほど全体の発電量は増えていくので、例えば設置枚数を3倍にすれば発電量も3倍になります。ソーラーパネルの枚数を増やすということは、その分コストがかかるというデメリットがありますが、太陽光発電の普及に伴って導入に必要な費用は年々減少しており、一昔前と比べると大規模な発電所を作りやすくなっています。また、技術革新によってソーラーパネルの軽量化や省スペース化も進んでおり、狭い屋上や耐久性に不安のある屋根材の上にも設置しやすくなっています。
ソーラーパネルの性能を見極める指標「変換効率」
2012年に再生可能エネルギーの固定価格買取制度が始まって以来、太陽光発電に関する関心が高まりソーラーパネルにもさまざまな製品が誕生しています。どのソーラーパネルを使うのが良いか見極めるときには「変換効率」という指標をチェックするとよいでしょう。「変換効率」とは、簡単にいうと太陽光のエネルギーをどれくらい電気に変えることができたかを示す割合で、数値が大きければ大きいほど高性能であることを表します。仮に太陽光エネルギーが100だったとした場合、そのうち15を電気に変えることができたとしたら変換効率は「15%」です。一般的なソーラーパネルの変換効率は、およそ10%から20%であり、高い変換効率を誇る商品ほど価格も高くなる傾向にあります。
設置するエリアも気をつけよう!
太陽光発電を始めるときには「どの地域に設置すると効率がいいか」ということも考えなければいけません。太陽光発電は当然のことながら、基本的に日射量が多ければ多いほど発電量が増えるためやむを得ない事情がある場合を除き、雨や曇りが多い地域に設置することは避けた方がよいでしょう。日本において年間の日照時間が最も多いのは山梨県で、最も少ないのは秋田県です。日本海側は冬に雪雲が比較的長い期間停滞することがあり、天気の悪い日が多いことが影響していると考えられます。日本の年間の日照時間は太平洋側の方が多い傾向にあるということは覚えておきましょう。
気温や季節も発電量に関係する
“太陽光発電の発電量は他の再生可能エネルギーと比べても、天気の影響をうけやすいという特徴があります。晴れている日が続けば順調に発電することができますが、曇りや雨の日はどうしても発電量が落ちてしまいます。積雪量の多い地域では、ソーラーパネルに雪が降り積もってしまい、発電量が0になってしまうという事態も考えられますので、設置するときは雪が積もらないように傾斜角には注意が必要です。
また、ソーラーパネルは熱くなりすぎると変換効率が落ちてしまいます。効率が落ちても一般的には日射量の多い夏の方が冬よりも総発電量は高くなりますが、変換効率だけで考えると夏よりも冬の方がよいときがあるのです。
発電量を保つためにはO&Mが必要
一般家庭が年間に消費する電力量はおよそ5500kWhだといわれています。日本において発売されているソーラーパネルの発電量は1kWhあたり年間1000kWhで、5kWhの太陽光発電システムがあれば1年間の電力消費量のほとんどは賄える計算です。日本では一般的な家庭における太陽光発電システムはちょうど3kWhから5kWhだといわれています。ただし、ここでいわれている発電量というのは多くの場合で設置時からの発電効率が落ちないことを前提にしています。太陽光パネルは屋外に設置するものですので、頻繁にメンテナンスをしないと「表面についた埃」や「周辺に生えた雑草の影」などによって発電効率が落ちることがあります。
FIT法によってメンテナンスの重要性が高まった!
太陽光発電施設は適切なメンテンナンスを施さないと、いくらパネルの性能が良くて日射量が多くても発電量が低下します。また、2017年4月から始まった「改正FIT法」により、太陽光発電施設のメンテナンスが義務化されたため、売電収入を得るためには適切な点検・保守を行う必要があるのです。ですが、これまでメンテナンスについて知識や経験がない人がいきなりやろうと思っても、何から手を付けてよいかわからない場合もあるでしょう。そのようなときは太陽光発電専門のO&M(オペレーションとメンテナンス)業者を利用すると良いです。太陽光発電専門のO&M業者はたくさんありますので、自分に合った業者を選ぶようにしてください。
更新日:2018.02.20太陽光発電O&Mの基礎知識