2018年太陽光発電のFIT認定の価格見通しは?入札する方法
FIT認定制度の第1回が行われたのは、2017年度です。前例のない試みであったため、計画とは大きく異なる結果になりました。そのため、2018年度では上限価格などの規定が調整される可能性があります。2018年度ではどのように認定が進められるのでしょうか。
2017年度に行われたFIT認定の制度
2017年度のFIT認定制度では、2MW以上の事業用太陽光電源が入札対象となりました。事業用太陽光発電は導入件数と認定件数が多く、コスト低下が期待できるためです。入札量は第1~3回の合計で1~1.5GWが予定されています。第1回の募集容量は500MWと設定されました。また、上限価格は確定していません。第1回は21円/kWhの価格で実行されましたが、今後は上限価格が調整されます。応札額を調達価格とするpay as bid方式を採用しており、調達期間は20年です。
2017年度の入札結果は?
2017年度に行われた第1回では、申し込み件数と実際の入札件数が大きく異なる結果になりました。入札参加の件数は29件の490MWでしたが、実際に入札された件数は9件で141MWと、予定よりも少ない入札量でした。多くの事業者が入札前に辞退したことが原因になります。辞退した理由は、土地の確保・系統の空き容量・接続契約に問題や不安があると事業者自身が判断したためです。しかし、申し込みをした事業者の90%は今後も開発を継続する意欲があるとの調査結果が出ています。
2018年度の入札スケジュールと取得期限
2018年度は、第2回と第3回の入札が実施されます。第2回は2018年5月に事業計画の受付が行われ、9月に入札結果が公表される予定です。第3回は9月に事業計画の受付が行われ、12月に入札結果が公表されます。認定取得期限は、原則入札結果公表日の翌日から3カ月以内です。しかし、対象外の電源と公平性を保つため、2018年度に実施された入札の認定取得期限は2019年3月末になる可能性があるので注意しましょう。
2018年度の上限価格はどのくらい?
2018年度の上限価格は、未定となっています。第1回の結果を踏まえ、調整が行われるためです。第3回では、第2回の結果次第で、さらに価格の調整がされるかもしれません。入札申し込みを検討する場合は、情報をこまめに確認しましょう。また、場合によっては上限価格が公表されない可能性もあります。公表されない場合、上限価格は開札後に公表されることになります。
2018年度の保証金の金額と上限は?
2017年度は、入札参加者に対して500円/kWの第1次保証金と、落札参加者に対して5000円/kWの第2次保証金の納付が求められました。それぞれ適切な入札実施の担保と、落札者の事業実施の担保が目的です。2018年度の場合も、入札・落札ともに同じ金額の保証金が求められるでしょう。保証金の金額が高いという声もありますが、同様に入札を実施しているドイツでは、入札時の金額が4ユーロ、落札時の金額が50ユーロとなっています。日本円に換算すると、それぞれ520円と6500円であり、日本よりも高価格です。また、保証金の金額が日本と同水準の国もあるため、保証金額が下げられる可能性は低いでしょう。
第2次保証金の没収事由は2018年に変更される?
2017年度の第1回では、第2次保証金の没収事由の1つに、「事業者が定めた運転開始予定日を超過して運転開始しなかった場合」が定められていました。しかし、保証金の没収がなくても、落札者が事業を実施する担保は可能です。そのため、2018年度の没収事由では、運転開始日に関する項目が削除される可能性があります。また、認定の取得に関する没収事由も変更されるかもしれません。認定取得期限までに認定を取得できなかった場合、落札者の決定は取り消しになります。その際、第2次保証金はすぐに没収されず、次回入札を行うときの保証金として充当できる方法になるでしょう。価格に制限があったり、入札に参加しない場合は没収されたりするなどの規定があるため注意が必要です。2018年度のFIT認定制度は調整をしながら行われていくため、事前にさまざまな情報をしっかり確認しておくとよいでしょう。
更新日:2018.02.13太陽光発電O&Mの基礎知識