太陽光発電の廃棄は環境汚染に!処分費用積立を義務化する見通し?
太陽光発電はエコなシステムとして推奨され、特に東日本大震災以降の需要が伸びています。しかし、寿命を迎えたパネルには鉛などの有害物質が含まれています。そのため、使用済みパネルの処分費用積立を義務化する自治体も出てきました。関係業者が不法投棄をしないために、今後は義務化が広がっていくことでしょう。
太陽光発電で処分費用積立が叫ばれる背景と目的とは?
国や地方自治体は、太陽光発電普及のために手厚い支援策を講じてきました。固定買取価格制度(FIT)は太陽光発電で余った電力を買い取るシステムで、条件により20年、10年と買取額が保証されるものです。自治体もまた、それぞれ内容は異なりますが設置の際に補助金を支給するなどの手厚い支援策を行っています。さまざまな支援策を背景にして、太陽光発電はエコなうえに売電収入が得られるため順調に普及が進んできました。固定買取価格制度で保証される余剰電力の買取金額は下がりつつあるものの、売電のメリットはなくならないでしょう。しかし、太陽光発電が普及しても使用済みパネルの処理に関しては正しい処理ができていないという課題があります。今後は使用済みパネルが大量に出ることが予想されます。パネルに有害物質が含まれていることやリサイクルの必要性といった正しい知識は、製造から設置までに関わる多くの業者に浸透していないのが現状です。普及に伴う大量のパネルが寿命を迎えた場合、業者がコストを下げるためにリサイクルを避けて廃棄する可能性も考えられます。各業者への意識を高め正しいパネルの処分を促すために、自治体では太陽光発電の処分費用積立を義務化する動きも見られています。
太陽光発電は災害に弱い?損壊パネルへの対処はどうすればいいのか
太陽光発電パネルは災害に弱いという特徴があります。パネルは薄いので風に飛ばされやすく、また光によって発電するため洪水時には感電の危険があるのです。災害時には、パネルが破損しないための対策や、感電を避けるために光に当たって発電しないようパネルを布でくるむなどの対策が必要です。
パネルが破損した場合は有害物質の流出の危険があるため、勝手な場所に埋め立てしてはいけません。産業廃棄物処分場へ適正な報告をしてから埋め立て処分するか、リサイクル処分する必要があります。
使用済パネルの適正処理とリサイクルの方法を知り環境への配慮を!
太陽光パネルの寿命は20~30年ともいわれ、寿命を迎えると産業廃棄物の処分場に埋め立てられます。しかし、有害物質についての届け出は多くがされていないのが現状です。有害物質の量や内容はメーカーにより異なり、業者も正しく把握できていないことも一因と考えられています。太陽光発電設備が推奨され大幅に増えたことで、2040年の廃棄量は2015年の300倍を超えるという指摘をする専門家もいます。埋め立て場にも限界があり有害物質が洩れる可能性もあるので、有害物質については業者からの正しい届け出を徹底する必要があるでしょう。埋め立て以外の方法としてリサイクルがありますが、処理コストが大きいという課題があります。太陽光発電装置は、電極などを何層にも強く接着して作られているため簡単には分解できません。そのため、リサイクルが難しくコストが高いという特徴があるのです。また、仕組みが確立されている家電などのリサイクルと違い、太陽光発電に関するリサイクルの費用負担の仕組みはまだできていません。将来的には処理コストを下げるような技術革新が行われ、埋め立てよりもリサイクルを選ぶような流れになることを期待したいところです。
使用済パネルの処理については、国の補助制度などを活用して処分費用積立を行うことが大切でしょう。太陽光発電設備の使用済パネルを適正処理することやリサイクルの方法を理解することは環境への配慮へとつながっていきます。次世代のためにも、処分費用積立の義務化を視野に入れておくことをおすすめします。
太陽光発電はメンテナンスや点検が大切!O&M業者を選んで適切な処置を
太陽光発電O&M業者は、電力が安定的に発電されているかのモニタリングを行うほか、定期点検や緊急時の対応も行います。太陽光発電は災害時の対処法や使用済みパネルの廃棄を正しく行うことも大切です。ですから、推奨される適正な処置をする太陽光発電O&M業者かどうか、多くのO&M業者のなかからしっかり選びましょう。
更新日:2018.02.08太陽光発電O&Mの基礎知識